2011年

北海道の中核都市にあった、倒産した百貨店をコンバージョンして公共的な機能を持たせて再生する計画。行政から依頼を受けたコンサルチームとの協働提案だった。

そこに入れる新たな機能は図書館と子供のための施設、それと地元店舗による賑わいの創出という計画である。市街地の中心にあるという絶好のポジションを活かして地方創生の新たな拠点となることを目指した。

建築計画のポイントは、百貨店のヴォリュームがこれほど必要ないので、上層階を解体して減築すること。最大のメリットは建物の総重量を減らすことで耐震性能を向上させることが出来る。

2012年当時の計画としては早すぎて結局提案のみに終わったが、その後浦和などで類似した計画が実現し、わたしたちの考え方はひとつの方向性だったのが確認できた。

建物を解体することで膨大なコンクリート等のゴミが出る。これからは如何に既存建物を上手く利用するかの時代である。減築など建築家らしいノウハウも取り込みながら、今後も社会的ニーズに合った提案を続けていきたい。